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Winds from New York




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  • ☆☆☆ちょっと失敗!談☆☆☆
by Junko Kitahama, 1.12.2002



明けましておめでとうございます。
今年も色んなテーマで好き勝手に書く「Winds From New York」ですが、ちょっと 参考になったり、また楽しく読んで頂ければ幸いです。

今年は寒い分、何処のスキー場も雪がたっぷりあってスキー、ボードファンには 最高のシーズンですね。私は久々に日本で、のんびりしたお正月を過ごしました。

アメリカではクリスマスが1年中で最大のイベント…なので新年は元旦だけが休日。 2日からは普段どおり会社も学校もあります。数年前お正月にドカ雪が降りこの年は 2日も幸い臨時休校になった事があるそうです。しかし喜べないことには、郊外にある 友人宅では家の屋根に積もった雪が重すぎて「ミシッ、ミシッ」と音を立て始め、慌てて 息子さんが雪下ろしをしたそうです。築80年以上経ち、広いベースメントがある素敵な 家ですが、しょっちゅうペンキは塗り替えなければならないし、家の周りの庭の手入れ を頼んでいるガードナーに支払うお金も通年にするとかなり高額になる…と愚痴って います。

私がNY滞在で何回か使わせていただいたお部屋は3階にある屋根裏部屋(ちゃんと 猫足のバスタブとトイレがあります)で、時々朝早くコツコツ音がするので気になって 窓に寄って見るとリスたちが通風の為の外壁の穴から出入りして遊んでいました。 その話を友人にすると、「また巣を家の中に造っているのかも!パパッ、今度の土曜日 にはちゃんと見つけて処分してね!」とすご〜い剣幕でした。あんな可愛いリスの巣を… と、けげんな顔をしている私に「最初は私も可愛いって思っていたのよ。ところがあいつら 家の屋根裏に入って走り回り糞をしたりかじったり、リス公害もいいところ!今ではすっ かり嫌われ者よ!」というのです。ボストンでも公園のそこら中で見かけた可愛いリス君達 ですが、NYの住宅街ではだんだん肩身の狭い思いをしているようです。ただ今はどこか で冬眠中?!

さて今日のテーマ、「ちょっと失敗!談」は、日本からNYに行き、その後ヨーロッパに 出かけた知人、大学生ユースケがまたNYに戻ってくる時に体験した失敗談です。

大学2回生の彼はご家族のマイレージでもらえたNY往復の無料航空券で初めて単独で 海外旅行に出かけました。NYではご両親の友人宅にホームステイし、パリ〜NYの格安 航空券を買い、日本で用意したユーレイル・ユース・パスでヨーロッパ内を15日間放浪 するという自由旅に出た彼は、ほぼ順調に約2週間のヨーロッパ周遊を楽しみ、さあ今日 はNYに帰ろう…と予約していた便に充分間に合うよう早めにパリ・オルリー空港に着き ました。コンチネンタル航空のカウンターで手続きを済ませ、免税店でもぶらぶら見て歩こ うとようと思っていた彼に突然係員が「NYから日本までのリターン・チケットを見せてください」  ユースケ「それはNYの知人宅に置いてきました」「それではあなたはここからNYへは帰れま せん」と係員。「それってどういうこと?」とユースケ。

係員の説明は「アメリカのビザなし入国を許可する条件の中に自国に帰るチケットを所有 している者に限るという項目があるので、あなたの場合、NY〜日本のチケットを所有して いないなら、そのチケットが送られてくるまでここにいるか、また他の方法としてはここで 同じ便→NY〜日本のチケットを新たに購入するかになります。」

分かりにくいフランス語と英語での会話をやっと理解したユースケは自分の無知を恥じ ながら幸い持っていたクレジットカードはほとんど使っていなかったので、それでNY〜日本 の片道航空券を買い、何とかNY・ニューアーク行きの飛行機に間に合ったそうです。

その日のNYは朝から小雨がぱらつく寒い日でしたが昼から雨は急に雪になり、ホストマ ザーが空港に向かう道路はあっという間に積雪で真っ白。ちょうど私もNYに来ていたので 一緒にユースケを迎えに行ったのでした。到着ゲートから元気に出てきた彼は少しほほを 高潮させ、ママにビッグハグをし、私に「イヤー、こうして今日ここに帰ってこれなくなるところ でしたよ!」と話してくれた。よく話を聞くと、ホストマザーが一人旅のユースケを気遣って 「ヨーロッパも物騒な所があるから必要ない品はなるべくここに置いて行きなさい。帰りの 航空券も無くしたり盗られたら大変だから預ってあげる」と言ってくれたそうです。何気なく そうしたユースケでしたが、この失敗はいい体験だったとあとで話してくれました。ちなみに パリの空港で買ったチケットはすぐ同じ航空会社のカウンターで払い戻しの手続きができ おまけに後で両替レートが変わっていたため購入時より高く引き取ってくれたことになった のは不幸中の幸いだったとか。今年のように雪の多い年の、2月早々の出来事を思い出し てご紹介してみました。アメリカから外国へ出てまた戻る時はこういう事にも気をつけましょう!




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